オンライン結婚式は迷惑?ゲストが参加したくない本当の理由
Zoomなどのweb会議ツールを使って、ゲストが自宅から結婚式に参加できるオンライン結婚式。
コロナ禍にオンライン結婚式(リモートウエディング)のサービスが始まったとき、
私は「これでドレスアップ不要!つらい結婚式に出席せずに済む!」と喜びました。
オンライン結婚式が普及すれば、結婚式嫌いの人がかなり救われるだろうと期待したんですよね。
私は他人の結婚に興味がないので、オンライン結婚式に積極的に参加したいとは思いません。
それでも、リアルな結婚式披露宴に参加するよりも、金銭的・体力的・精神的に数段楽だろうと思ったのです。
ところが、実際にオンライン結婚式のサービス内容を調べてみると、やり方によってはかなりゲストに負担がかかることがわかりました。
業者が儲けようとして、オンライン結婚式にいらないサービスを付け過ぎているんです。
初めてオンライン結婚式の招待を受けた人は、ご祝儀の相場も当日何をすればいいのかもわかりませんよね。
この記事では、オンライン結婚式のサービス内容とゲストが迷惑する理由を解説しています。
予備知識としてぜひ読んでみてください。
「結婚式の様子をライブ配信で視聴するだけなら、無料で参加できるんでしょ?招待状にもお気軽にご参加くださいって書いてあったし」と気軽に参加したら、自宅に高額な料理が届いて会費を請求される可能性も……
あなたがイメージしているオンライン結婚式と、実際のオンライン結婚式は違うかもしれません。
目次
オンライン結婚式には「参加型」と「視聴型」がある
まず最初に知っておきたいのが、オンライン結婚式には「参加型」と「視聴型」があり、この2つではゲストの負担が全く違うことです。
Zoomを使ったことがある人は、参加型はweb会議、視聴型はウェビナーをイメージするとわかりやすいかもしれません。
参加型オンライン結婚式の特徴
- ゲストの様子が新郎新婦を含め、参加者全員に配信される
- 新郎新婦によっては、ゲストも正装して参加することが求められる
- オンライン結婚式の最中にゲストと新郎新婦が通話をしたり、ゲスト側が
スピーチを求められたりする - 参加人数が多いとシステムの負荷が高くなる
音声が途切れやすくなったり、動画が固まったりするリスクが高い - オンライン結婚式の最中にゲストに通信トラブルが発生したり、
退席した場合は参加者全員にバレる
視聴型オンライン結婚式の特徴
- ゲストは新郎新婦が配信する結婚式の様子を視聴するだけ。
基本的にゲストが結婚式の演出に関わることはない - ゲストの顔や自宅の様子は配信されないので、正装する必要がない
参加型のオンライン結婚式は自分の姿が新郎新婦や他の参加者に見えてしまうので、
緊張感が違います。
着古した部屋着、すっぴん、ボサボサの頭で鼻をほじりながら参加するわけにはいきませんし、結婚式が退屈でも途中で他のことを始めたり、勝手に退席してトイレに籠もったりしたらバレてしまいます。
仕事のweb会議と同じで、外向きの表情を作ってずっと画面の前に座っている感じになります。
いやー、想像しただけで疲れますね。
新郎新婦によっては、ゲストに正装を求めるケースもあるらしいです。(yahoo知恵袋の口コミ情報)
ドレスを着てヘアメイク、顔のメイクもするとなると、準備が必要ですね。
まぁ、カメラに写るのは上半身だけなので、ちょっとヒラヒラした感じのブラウスを着て、ヘアメイクも正面から見ておかしくない程度にまとめれば問題ないと思います。
下はジャージでいいでしょう。
リアルな結婚式と違って、靴とバッグを用意しなくていいのは楽ですね。
オンライン結婚式はアップの顔を録画されてしまうので、新郎新婦からスピーチを頼まれたときの負担感は普通の結婚式以上かもしれません。
また、こちらの通信環境が不安定な場合、結婚式の途中で動画が途切れたり、音声が通じなくなる可能性があります。
視聴型なら自分が視聴できなくなるだけで結婚式の進行には影響しませんが、参加型の場合は新郎新婦とゲストとのやりとりが中断してしまい、式の進行に影響する可能性があります。
相手に迷惑をかけてしまうかもしれないと思うと、プレッシャーがかかりますね。
私はオンライン結婚式に参加するなら絶対、参加型より視聴型の方がいいです。

オンライン結婚式に招待されて参加するかどうか迷っている人は、
まず参加型なのか視聴型なのかを確認しよう!
しんどいかも……
3時間のオンライン結婚式は長すぎてきつい
オンライン結婚式の所要時間は、新郎新婦がゲストに何を見せたいかによって違います。
結婚式の様子を流して新郎新婦がゲストに挨拶するだけのシンプルなオンライン結婚式なら、1時間くらいで終わります。
一方で、参加型のオンライン結婚式で披露宴の演出を盛り込んだものは3時間くらいかかることも。
皆さん、仕事でZoomを使うときのことを思い出してみてください。
2時間のweb会議でも、かなり疲れませんか?
私は2時間集中してweb会議に参加したら、首と肩がバチバチに凝って目も痛くなります。
3時間は正直、長すぎて無理です。
40代になり、以前よりも目が疲れやすくなりました。
高齢者の方は長時間の動画視聴には耐えられず、途中で脱落しちゃうんじゃないでしょうか。
新郎新婦は儲けたい業者に長時間のオンライン結婚式を勧められるでしょうが(ライブ配信の時間が長いほど料金が高いので)、営業トークを鵜呑みにしないでほしいですね。
オンライン結婚式の所要時間は短ければ短いほど、ゲストの負担が少ないです。

かなり疲れるものだと覚悟しておいたほうがいいかも
料理、引き出物の配達はいらない
オンライン結婚式では、新郎新婦がゲストの自宅に料理やドリンク、引き出物を送ってくる場合があります。
遠方でも傷まないように、料理は冷凍されたものが届くことが多いです。
配達された料理はオンライン結婚式の当日に解凍して、皆で食べながら結婚式に参加することになっているんですね。
これね、ぶっちゃけ、私はいらないです。
理由は複数ありますが、まず第一に、このサービスはゲストのためじゃなく、
ブライダル業界が売上を上げるためにゴリ推しでやっているものだと思うんです。
通常、『料理』『飲み物』『引き出物』の三つは結婚式の費用で大きな割合を占める要素です。
ゼクシィ結婚トレンド調査2023年によると、2023年度の披露宴・披露パーティの招待客数は平均49.8人でした。
料理・飲み物代の平均額は一人当たり2万2,000円なので、49.8人分なら109万5,600円となり、結婚式費用の中で最も支払い額が多い項目になります。
挙式料やウェディングドレス代と比べても、ぶっちぎりで高額です。
引き出物も一人当たり6,000円で、49.8人分なら29万8,800円になります。
ブライダル業界はオンライン結婚式でこの3つの売上を失うのが惜しくて、
「料理でおもてなしの心を伝えられる」
「同じ料理を食べれば一体感が生まれる」
「自宅でも披露宴っぽさを演出できる」
などとうまいことを言って、新郎新婦をその気にさせているだけだと思うんですよね。
ちょっと想像してみてください。
パソコンでライブ配信を見ながら高級料理を食べたいですか?
ながら食べになって、落ち着かないでしょう。
パソコンがデスクトップ型なら、デスクに料理を広げることになります。
食べにくいですよね?
スマホで視聴している場合も、スマホと料理の置き場所に困りそうです。
ゲストに家族がいる場合は、家族の食事を別に用意しないといけないですよね。
例えば四人家族の家に一人分だけ料理が届いて、それでおもてなしをされている気分にはなるかというと微妙です。
料理、引き出物ありのオンライン結婚式はご祝儀の相場が上がる
ブライダル業者は料理や引き出物をゲストに贈るのが「おもてなし」だと言ってますが、料理や引き出物ありのオンライン結婚式はご祝儀の相場が一人あたり+2万円上がり、実質的にはゲストの負担が増えます。
会費制のオンライン結婚式でも、おもてなしにかかる費用は全てゲストに跳ね返ってくるので、自腹で割高なものを買わされている感じになります。
オンライン結婚式のスタイル | ご祝儀の相場 |
---|---|
料理・飲み物・引き出物の配達がある場合 | 3万円 |
何もない場合 | 3,000円~10,000円 |
私のような貧乏人には、2万円の差は大きいです。
2万円分の食材を買って自炊すれば、1ヵ月半は食い繋げます。
どうしても新郎新婦が料理と引き出物のおもてなしがしたいなら、「あり」か「なし」かをゲストが選べるようにしてほしいです。
希望者にだけ配達してはどうでしょうか。
そもそも、料理を冷凍して個別に配達するのってコスパが悪いですよね。
出来立てじゃないから料理の味は落ちてるし、クール宅配便の料金も結局自腹であることを考えるともったいないです。
冷凍庫に余裕のない家庭だったら、オンライン結婚式の当日まで邪魔ですし。
新郎新婦はご祝儀で回収できるから、こういう余計なサービスをつけちゃうんだろうな。

ご祝儀が通常の結婚式よりも安く済むのは、
オンライン結婚式のメリットだったはずなのに。
オンライン結婚式は無料で参加できるとは限らない
Zoomなどのweb会議ツールではなく、ブライダル業者独自の動画配信システムを使う場合は無料では参加できないかもしれません。
- オンラインご祝儀
- 会費
- 投げ銭
などの名目で、ゲストからお金を徴収する機能がついていて、ゲストがお金を支払わないと新郎新婦にメッセージやリアクションを送れないものもあります。
オンライン結婚式に招待されたときは、
- ご祝儀制か会費制か参加費無料か
- ご祝儀制の場合、オンラインご祝儀の手数料は誰が負担するシステムか
- オンラインご祝儀の手数料はいくらか
- 料理・ドリンク・引き出物の配達はあるか
の4点をチェックして、ゲストの参加費用を把握しましょう。
別記事「オンラインご祝儀は失礼?」でも解説しているとおり、オンラインご祝儀では3~5%の決済手数料をサービス運用会社に取られます。
手数料は新郎新婦が負担する場合とゲストに負担させる場合があるので、新郎新婦がどちらに設定しているのか確認しましょう。
オンライン結婚式の参加費用を知ってから、参加するかどうか決めることをおすすめします。
お金のほかには、WEB招待状の返信画面でゲストの写真を添付するように求められることがあります。
添付した写真は集合写真に加工したり、ゲストを紹介するときに使用したり、新郎新婦によって使い道は違うようです。
一度共有してしまった写真は回収できないので、慎重に検討しましょう。
写真の使われ方に不安があるなら「送れる写真がない」ということにして、何もアップロードせずに返信するのがおすすめです。
オンライン結婚式に参加したくないときはどうする?
オンライン結婚式に参加したくないときは、割り切って欠席するのがおすすめです。
通常の結婚式と同じように、オンライン結婚式も「その日は先約があってスケジュールの都合がつかない」と言って断るのがベストだと思います。
ライブ配信はスマホでも視聴できるので、通信環境を理由に断るのは難しいでしょう。
関連記事「行きたくない結婚式を揉めずに欠席する方法」
視聴型のオンライン結婚式なら参加者同士で突っ込んだ話をする機会はないので、
欠席しても親戚内・友人グループ内の人間関係には影響しにくいと思います。

親しくない人からご祝儀要員で招待されたときはサクっと欠席でいいと思う
利用可能な最大人数まで、声かけしちゃうカップルもいそうだよねオンライン結婚式に参加したいかどうかは人それぞれ
私はこの記事を書くにあたって、オンライン結婚式の評判を複数のサイトやSNSで調べました。
意外と「普通の結婚式は好きだけど、オンライン結婚式なら参加したくない」という意見を見かけました。
「後日、新郎新婦に会って式の写真を見せてもらう方がいい」という意見も。
「素人の動画配信は見るに堪えない、カメラ揺れが酷くて酔う」という感想もありました。
「オンライン結婚式なら自宅で気軽に参加できる」というのはweb会議ツールを使い慣れた人の意見で、逆にハードルが高いと感じる人もいるようです。
私の周りでも、親の世代(70代)でオンライン結婚式を自力で視聴できる人は半分もいないかもしれません。
SNSを一度もやったことがない高齢者がオンライン結婚式で「投げ銭」を突然要求されたり、クレジットカードとQRコード以外の方法で決済できなかったりしたら、普通に混乱しそうです。
私の伯母は子どもに勧められてiPhoneを持っているのですが、通話とメール以外はほとんど使い方がわからないままで、Google検索もネット通販も使えないんです。
LINEの画面も、どこを押したらどう動くのかわからなくて怖いと言ってました……
現代人でもそういう人もいるので、オンライン結婚式は参加できない人もいるという
前提で開催してくれるとありがたいですね。
ゲストにとって、どんなオンライン結婚式が理想?
私はリアルの結婚式が苦手すぎて、オンライン結婚式ならまだマシだと思う方です。
特に、結婚式の受付を何度もやってしんどかったので、他人にご祝儀を管理させない点はすごくいいと思います。
ゲストに優しいオンライン結婚式
- 視聴型で正装しなくてよい
- 所要時間は1時間未満
- 食事・ドリンクの配達なし
- 引き出物なし
- 顔写真やメッセージの提出義務なし
- ご祝儀なし
- 会費なし
- ゲストの紹介なし
- カメラ揺れなし
- 参加は自由、途中退席も自由
私の勝手な理想はこんな感じなんですけど、いかがでしょうか。
業者が全然儲からなくて嫌がりそうww
結婚式を挙げたい人が自分のお金で好きにやって、ゲストには演出を依頼しない。
親しい人とは後日、直接会ったときにパートナーを紹介したり食事をしたりすればいいんじゃないですかね。
通常の結婚式披露宴と同じことをオンライン結婚式でもやろうとすると、ゲストの負担が増えて、オンライン結婚式のメリットが失われてしまうように思います。
まとめ
- 参加型のオンライン結婚式は視聴型よりも疲れる
- オンライン結婚式のご祝儀相場は料理・引き出物の有無で2万円も変わる
- オンライン結婚式はゲストが無料では参加できない場合がある
- オンライン結婚式に出席するかどうか悩むときは、所要時間と参加費用をチェックしてみよう