うつ病治療中に結婚式に招待されたら欠席したほうがいい

友人や親戚から結婚式に招待されて、出席するかどうか悩んでいるうつ病の人に向けて書いた記事です。

抑うつ状態のときは決断力が弱くなっているから、はっきり言いますね。

「無理をすれば何とか行けるんじゃないか」
「一日だけなら頑張れるんじゃないか」
「もしかすると結婚式の頃には体調が回復しているかも……」
と思っても、欠席したほうがいいです。

欠席の返事は先延ばしにせずに、なるべく早く送りましょう。

結婚式に参加するかどうか何日も悩むことで、むしろ病気が悪化してしまいます。

新郎新婦を喜ばせることよりも、あなたの体調を優先してください。

あなたの体を守れるのはあなただけなので、どうか無理をしないでほしいです。

私は現在アラフォーですが、20代前半から後半にかけてうつ病で療養していました。

その間に周囲は結婚ラッシュで、何度も無理をして結婚式に出席してきました。

その結果、毎回病状は悪化しました。

うつ病治療中に無理をして結婚式に出席するとどんな危険性があるのか、実体験を
レポートします。

うつ病の人にとって結婚式がきつい理由

結婚式がつらい理由

まず最初に、なぜうつ病の人にとって結婚式がしんどいのか、理由をリストアップしてみます。

健康な人なら当たり前にできることが、うつ病の疲労しきった脳ではこなせません。

結婚式披露宴はうつ病の人が苦手な要素を「これでもか!」とてんこ盛りにしたイベントです。

うつ病には結婚式披露宴のここがきつい!

  • 当日、絶対に休めない
  • 遅刻厳禁
  • 朝早くに起きて、フォーマルな格好をしなければならない
  • 長距離移動が必要
  • 会場に人が大勢いる
  • 音がうるさい
  • 会場が明るい
  • 所要時間が長い
  • いろんな人に挨拶しなければならない
  • 自分の職業や近況をいろんな人に尋ねられる
  • 笑顔を作らないといけない(写真撮影などで)
  • 食事をしながら、知人友人親戚と歓談しなければならない
  • テキパキ移動しないといけない
  • しんどくなっても横になれる場所がない

もし、寝込んでしまって何もできない日があるレベルなら、上記のアクションをこなすのは難しいですよね。

世間ではうつ病の「気分が憂鬱になる、死にたくなる」といった感情面の症状はよく知られていますが、体は普通に動くだろうと軽く見ている人が多い印象です。

結婚式に招待している側も、「気分は落ち込んでいても、体は健康だろう」と思って
招待しているのでしょう。

でも、違うんですよね。

うつ病は抑うつ感だけでなく、体にも様々な症状が出ます。

不眠、過眠、頭痛、腹痛、下痢、便秘、倦怠感、聴覚過敏、味覚を失うなど、人によって体の症状は様々です。

私がうつ病だった頃に一番困った症状は、体が重くて動かなかったことです。

トイレに行けなくて尿意を我慢し続けて膀胱炎になったり、歯磨きができなくて虫歯だらけになったりしました。

布団に横になった状態から、体を動かそうと思っても重すぎて動かないんです。

「動け、動け」と自分に言い聞かせて脳に指令を出しても、腕が重すぎて持ち上がらない。

寝返りもなかなか打てない。

そんな状態に度々陥っていました。

例えるなら、ドラゴンボールで悟空やベジータが重力トレーニングをするエピソードがありますよね。

私は体が動かせなくなるたびに、あのシーンを思い出していました。

実際には、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の量が減少することで、運動機能がうまく働かなくなっていたんでしょうけど、当時は周りの重力が何倍にもなったように感じていました。

こうしたうつ病の身体症状を周りの人に理解してもらえたら良いのですが、理解してもらえなかったときは相手と距離を置いて、自分の身を守るしかありません。

あなたの病状を知った上で結婚式に出席するように言われたら、流されずに断りましょう。

なめくじが塩の海に飛び込むようなものなので、治療中の人は本当に無理をしないでほしいです。

結婚式前に生じるリスク

結婚式前に悩む人

結婚式に参加すると返事してしまった場合、結婚式当日まで不安とプレッシャーを抱えることになります。

「本当に今の体調で出席できるだろうか」
「これ以上症状が酷くなったらどうしよう」
と私はずっと思っていました。

うつ病は抗うつ薬を飲めば必ず治るものではないし、いつ治る(=寛解する)のかは誰にもわかりません。

半年後かもしれないし、5年後かもしれない。

症状にも波があって、今できることが結婚式当日にはできなくなっているかもしれない。

先の見通しが立たない中で、ハードな予定を入れることは治療上良くないです。

また、回らない頭で結婚式のために準備をするのは大変です。

当日着ていく服を用意したり、移動手段を確認して席を予約したり、色々と自分で決めなきゃいけないことが多くて疲れます。

抑うつ状態のときには、ちょっとしたことでもなかなか決断できません。

私は貧乏だったので、お金を使うこともストレスでした。

結婚式の予定を入ることは治療上の励みにはなりません。

逆に精神的に追い詰められます。

もし、結婚式の直前に自分の体調が悪化してしまったら、衝動的な行動を取ってしまう危険性もあると思います。

例えが的確かどうかわかりませんが、不登校の子が夏休みの終わりが近づくと一層不安定になるような感じです。

結婚式当日のリスク

結婚式で泣く人

結婚式当日のリスクは大きく分けると3つあります。

一つ目は、当日の体調が悪くて結婚式をドタキャンしてしまうこと。

これは自分がつらいだけでなく、新郎新婦に心配と迷惑をかけてしまいます。

場合によっては、ドタキャンしたことで新郎新婦との仲がこじれてしまうかもしれません。

二つ目は結婚式の最中に不適切な行動を取ってしまうこと。

気持ちのコントロールができずに、涙が止まらなくなったり、表情がうまく作れなかったり、失言をしてしまったりする可能性があります。

がんばって元気な頃と同じように振舞おうとしても、なかなか難しいです。

三つ目は結婚式で想像以上に自分が傷ついてしまうこと。

親戚の結婚式では親戚一同が、友人の結婚式では同級生や友達が集まりますよね。

元気で幸せそうな人たちと自分を比べてしまって、惨めな気持ちになりがちです。

自分の病気について、無神経な言葉を投げかけられる可能性もあります。

相手は励ましのつもりでも、こちらにとってはきつい言葉ってありますよね。

未婚の女性はブーケトスやブーケプルズに参加して、嫌な気持ちになることもあるかもしれません。

結婚式後に生じるリスク

結婚式後に寝込む人

結婚式後のリスクは、無理をした反動で一気に病状が悪化することです。

私は毎回、数日は寝込んでいました。

通常、うつ病の症状には波があって、比較的調子がいいときと悪いときが交互に来ますよね。

結婚式後はいつもの「調子が悪いとき」を超える状態になりました。

疲労で体が動かなくなるだけはでなくて、精神的な落ち込みがひどかったです。

結婚式でいろんな人の近況を知ると、療養中は目を背けていた「自分の落ちこぼれ具合」を突きつけられてしまうんですよね。

結婚式後は自分の人生に絶望して、死にたいと思うこともありました。

どん底の状態から少し動けるところまで回復したときが特に危険です。

結婚式前→結婚式当日→結婚式後と、どの時期もつらいことばかりで、
私は「がんばって結婚式に参加して良かったな」と思ったことはありません。

自分から、うつを悪化させる選択を繰り返してしまったことを今では後悔しています。

結婚式の断り方はどうすればいい?

「うつ病の人が穏便に結婚式を断るにはどうすればいい?」

この問いに対して、私は良い答えを持っていません。ごめんなさい。

私自身、周囲の同調圧力に負けて結婚式に参加せざるを得ませんでした。

私がうつ病で療養中であることは皆知っていましたが、病気への理解はありませんでした。

うつ病の人が自分の病状について人に説明するのは難しいです。

人と会話するのがしんどくてたまらない状態で、言語能力が相当落ちてますから。

相手がこちらの病気に無関心なら、理解を求めても難しいかもしれません。

もしあなたが仕事を続けながらうつ病の治療をしているなら、「仕事の予定が入っている」と嘘をついて結婚式を欠席するのが、一番スムーズに欠席できる方法だと思います。

職場関係の結婚式に招待されているなら、「その日は法事の予定が入っている」と言って断るのがおすすめです。

※関連記事:「結婚式を欠席する方法

問題は、無職&療養中の身で特に予定がないことを先方に知られているときです。

うつ病に理解がある人ならこちらの事情を話せば欠席を了承してくれると思いますが、そうでない場合にどうするか。

まぁ、無理なものは無理なので、事実だけ伝えて後は相手と距離をおくしかないと思います。

私が実際に失敗して学んだことは次の2つです。

欠席の返事をするときに気をつけること

  1. 電話や直接会って欠席を伝えるのはやめたほうがいい

    →直接話すと不安や緊張から、言葉選びに失敗する可能性がある。
    相手の言葉にもうまく答えられない可能性が高い。
    メールなどの文字で伝える方が安全。
    新郎新婦に「一度会って話そう」と言われても断る。

  2. 病気のつらさを相手に理解してもらおうとはせず、具体的に今できないこと
    (客観的な事実)だけを伝える
    家から出られない、人と会っても会話ができない、人前で食事ができない、
    突然泣き出してしまう、など

    →ウェディングハイ状態の新郎新婦はネガティブな話題には共感しづらくなっている。
    相手に共感を求めず、「結婚式に出席できる体調ではない」という事実確認だけを目標にする。
    「無理に参加させたら、式の雰囲気をぶち壊しそうだな」と相手に思わせる。

メールもすぐに送らないで、文章を書いてからしばらく時間をおいて、読み返してから送信したほうがいいと思います。

調子が悪いときの文章はおかしくなりがちですから。

「今は状態が悪いから電話や対面では話せない」と書き添えておくことをおすすめします。

新郎新婦から突然電話がかかってきたりしたら、しんどいですからね。

発言小町に参考になりそうなスレッドがありました。

良かったら読んでみてください。

発言小町「鬱病です。結婚式の招待状の出欠席」

結婚式の出欠について、主治医に相談するのはどう?

うつ病でドクターストップ

最後に、今の体調で結婚式に出席できるかどうかを主治医に相談してみることについて、私見を述べます。

主治医との間によほどの信頼関係がない限り、おすすめしません。

私が通っていたクリニックがそうだったのですが、短時間の診療ですぐに薬を出して終わり、という治療を受けている場合、先生が把握しているのは投薬治療の情報だけかもしれません。

「大丈夫だよ、行っておいでよ」と安易に出席を勧めてくる可能性があります。

出してもらった薬が効いたかどうかの話しかしていないなら、主治医はあなたがどんな人で、どんなことができなくなっていて、何をすれば病状が悪化するのかを把握できていないかもしれません。

自分がきつそうだと感じたら、主治医にお伺いを立てずに、自分の判断で欠席してしまった方がよいと思います。

まとめ

  • うつ病治療中に結婚式に招待されたら、体調を優先して欠席した方がいい
  • 無理をして結婚式に参加すると病状が悪化する
  • 病気を理由に結婚式を欠席するときは、うつ病のつらさを訴えるのではなく、
    今できないことを具体的に伝える
  • 主治医に相談してもドクターストップをかけてくれるとは限らない

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プロフィール

Author

ハンドルネーム:石川

結婚式・披露宴が苦手なアラフォー独身女。

機能不全家族で育ち、結婚願望がありません。

20代の頃、オーバーワークが原因で鬱病を発症。

現在は寛解して社会復帰し、10年以上経ちます。

鬱病で療養していた頃、結婚式に参加することがすごくつらかったので、このサイトを立ち上げました。

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